ヤマダホールディングスは売上が10.0%増え、営業利益は32.1%増えました。資産売却を含む純利益の伸びだけで判断せず、デンキ・住建の本業改善、下期計画、売却プロジェクトの不確実性を分けて読みます。 2026年11月7日に公式IR資料を確認した結論は、決算評価「強気」です。現在の株価の割高・割安や、読者ごとの売買判断は含みません。
結論:決算評価は「強気」
二桁増収、32.1%の営業増益、利益率改善、デンキ・住建の増益、営業利益55.6%の進捗を確認できるため強気評価です。資産売却と経営統合は未確定要素として先取りせず、下期の本業計画と分けて追います。
| 決算発表日 | 2026-11-06 |
|---|---|
| 対象期間 | 2027年3月期 中間期 |
| 分析基準日 | 2026-11-07 |
| 株価・目標株価 | 評価対象外 |
| 運営者の保有記録 | このサイトの保有銘柄一覧に掲載 |
| 広告・アフィリエイト | この記事では掲載していません |
| 位置づけ | 一般的な情報整理であり、個別の売買推奨ではありません |
最新決算の主要数値
中間期の連結実績です。売上、営業利益、純利益の伸びに加え、前年同期と今期の営業利益率を筆者計算で比較します。
| 売上高 | 8,802億47百万円(前年同期比+10.0%) |
|---|---|
| 営業利益 | 286億24百万円(同+32.1%) |
| 経常利益 | 300億90百万円(同+25.4%) |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 | 215億62百万円(同+68.7%) |
| 営業利益率(筆者計算) | 3.25%(前年同期2.71%、約+0.54pt) |
| 自己資本比率 | 48.9%(前期末48.6%) |
売上10.0%増に対し、営業利益は32.1%増えた
中間期の売上高は8,000億99百万円から8,802億47百万円へ10.0%増え、営業利益は216億71百万円から286億24百万円へ32.1%増えました。筆者計算の営業利益率は「営業利益 ÷ 売上高」で2.71%から3.25%へ約0.54ポイント改善しています。純利益の68.7%増には資産売却益なども含まれるため、本業の比較では営業利益の伸びを中心に置きます。
デンキは売上7,007億65百万円、営業利益240億93百万円で、それぞれ8.2%、31.1%増えました。住建も売上1,636億1百万円、営業利益26億7百万円で17.4%、68.6%増です。一方、金融は調達コスト上昇で営業利益が11.1%減り、ヤマダホームズ単体は営業損失8億55百万円でした。連結増益を全事業の好調とは扱いません。
近接出典:決算説明会資料 p.3、p.7、p.18〜19
| 売上高 | 8,000.99億円 → 8,802.47億円(+10.0%) |
|---|---|
| 営業利益 | 216.71億円 → 286.24億円(+32.1%) |
| 営業利益率(筆者計算) | 2.71% → 3.25%(約+0.54pt) |
| デンキ営業利益 | 240.93億円(+31.1%) |
| 住建営業利益 | 26.07億円(+68.6%) |
在庫回転は改善。ただし連結の商品残高とは定義を分ける
ヤマダデンキのPOSベース在庫回転率は3.70回から4.30回へ0.60回改善し、会社は在庫削減実績119億円を通期計画200億円に対する進捗として示しました。PB+SPAオリジナル商品の売上は767億円から885億円へ15.3%増え、構成比も11.2%から12.7%へ1.5ポイント上がりました。EC売上は480億円から514億円へ7.0%増えています。
一方、中間連結貸借対照表の商品及び製品は3,161億51百万円から3,401億87百万円へ240億36百万円増えました。POSベースの在庫回転・削減施策と、連結の期末残高は対象会社、時点、季節在庫などが同じではありません。改善指標だけを選ばず、通期目標5.0回と連結商品残高の両方を次回確認します。
近接出典:決算説明会資料 p.9、p.16〜17/決算短信 p.8
| POSベース在庫回転率 | 3.70回 → 4.30回(+0.60回) |
|---|---|
| 在庫削減の進捗 | 119億円 / 通期計画200億円 |
| PB+SPA売上 | 767億円 → 885億円(+15.3%) |
| EC売上 | 480億円 → 514億円(+7.0%) |
| 連結の商品及び製品 | 3,161.51億円 → 3,401.87億円(+240.36億円) |
下期228.75億円と、予想に入っていない資産売却を分ける
通期営業利益515億円に対する中間進捗は筆者計算で55.6%です。会社の上下期表では、下期の営業利益計画は228億75百万円。前年下期は55億5百万円の営業損失だったため、通常の増益率は算出できず、黒字転換が前提です。売上は下期8,997億53百万円、営業利益率は筆者計算で約2.54%が必要です。式は「下期営業利益計画 ÷ 下期売上計画」です。
純利益予想は278億円から328億円へ50億円上方修正されましたが、売上・営業利益・経常利益は据え置きです。さらに、下期の資産売却プロジェクトによる利益増加はこの予想へ含まれていません。取得額ベース約1,300億円は売却代金でも利益でもなく、入札締切、優先交渉、契約、決済は今後の予定です。本業で下期228億75百万円を確保し、在庫回転が改善する前提で、現時点では決算内容を強気と判断します。営業利益の下方修正、連結商品残高の積み上がり、資産売却や統合協議の遅れが本業と財務へ及ぶ場合は中立への見直しを検討します。
近接出典:決算説明会資料 p.24、p.29〜30/決算短信 p.7
| 営業利益の通期進捗(筆者計算) | 55.6% |
|---|---|
| 下期営業利益計画 | 228.75億円(前年下期は△55.05億円) |
| 下期営業利益率(筆者計算) | 約2.54% |
| 純利益予想 | 278億円 → 328億円(+50億円) |
| 資産売却の下期利益 | 会社予想に未反映・金額未確定 |
決算で良かった点
売上の伸びを営業利益が上回り、デンキと住建の両方で増収増益でした。利益率と通期進捗を同時に評価します。
| 1 | 売上+10.0%に対して営業利益は+32.1%となり、筆者計算の営業利益率は2.71%から3.25%へ約0.54ポイント改善しました。 |
|---|---|
| 2 | デンキは営業利益+31.1%、住建は+68.6%で、連結増益が資産売却益だけによるものではありません。 |
注意したいリスク
資産売却、エディオンとの統合協議、下期のLIFE SELECT出店は未完了です。実績に含まれた利益と、今後の計画を混ぜません。
| 1 | 資産売却プロジェクトの下期利益は会社予想へ含まれておらず、入札・交渉・契約・決済の結果は未確定です。取得額ベース約1,300億円を売却代金として扱いません。 |
|---|---|
| 2 | エディオンとの経営統合は基本合意後の協議段階です。シナジー、条件、実行時期を確定済みとして評価へ織り込みません。 |
通期会社予想と進捗
純利益予想だけが278億円から328億円へ上方修正され、売上・営業利益・経常利益は据え置きです。下期の本業計画と資産売却の上振れ余地を分けて追います。
| 通期 売上高 | 1兆7,800億円(前期比+5.2%) |
|---|---|
| 営業利益 | 515億円(同+218.6%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 328億円(同+121.9%、50億円上方修正) |
| 売上進捗 | 49.5% |
| 営業利益進捗 | 55.6% |
| 親会社利益進捗 | 65.7% |
配当と株主優待は、決算評価と分けて確認
会社の公表済み配当予想は期末17円です。資産売却プロジェクトの進捗を踏まえて増配を検討すると説明していますが、資料記載の「17+x円」は確定予想ではありません(決算説明会資料 p.25)。保有する自己株式3億184万3,535株の消却は決議済みですが、新しい自己株式取得とは区別します。 配当予想と株主優待は変更されることがあります。優待の必要株数、権利月、継続保有、実際の利用価値は別の記事で確認します。
次の決算までに確認すること
下期営業利益228億75百万円、在庫回転率5.0回、資産売却の契約・決済、エディオンとの統合条件を確認し、確定した実績だけで評価を更新します。
| 1 | 下期営業利益228億75百万円と、通期515億円の達成状況。 |
|---|---|
| 2 | 在庫回転率が中間期4.30回から通期目標5.0回へ改善するか。 |
| 3 | 資産売却の入札、契約、決済が完了し、利益・配当・負債削減へどう配分されるか。 |
| 4 | エディオンとの統合条件と、LIFE SELECT出店後の利益率。 |
この評価に含めていないもの
分析基準日時点の株価、PER・PBR、他社との相対評価、税金、手数料、読者の資産状況と損失許容度は評価に含めていません。決算が良くても株価が上がるとは限らず、会社予想の修正や次回決算で評価は変わります。
参照した一次情報
ヤマダHD:2027年3月期 中間期決算短信
確認日:2026-11-07
ヤマダHD:2027年3月期 中間期決算説明会資料
確認日:2026-11-07
ヤマダHD:通期連結業績予想の修正
確認日:2026-11-07
ヤマダHD:全自己株式の消却
確認日:2026-11-07

